崩れない日本庭園のすごさ、設計者の思い背負いカウラへ 造園家・辻井博行

Hiroyuki Tsujii

Hiroyuki Tsujii, a Japanese landscaper, appeared at the premier of a documentary film 'Making In 2024' in Paris. Mr Tsujii is visiting the Japanese Garden in Cowra NSW this month to assess the condition of the garden and to figure out the best possible method to maintain it. Credit: Alice Casenave

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日本の著名な造園家・中島健氏が設計し1979年にオープンしたニューサウスウェールズ州カウラの日本庭園。庭を守っていきたいという中島家の依頼を受け、中島健氏の指導を受けた造園家・辻井博行氏が専門家2人とともに今週カウラを訪問します。


辻井氏によると、カウラの日本庭園の庭造りを現場で直接知る人は中島健氏、健氏の長男、そして現場監督ですが、それぞれ他界しています。

海外にある日本庭園では、現地の自然に馴染みにくい日本の植物を持ち込んだり、庭園管理者の変更や、管理コストの問題で、当初の面影を残さずに崩れてしまった庭園があります。

健氏の次男で事業を継いだ中島寛久氏は、父親の思い入れが強いカウラの日本庭園を守っていきたいと、辻井氏に庭園の訪問を依頼しました。闘病中だった中島寛久氏はカウラ訪問の実現を待たず今年4月に亡くなりました。

作り手の思いを残せる管理方法の確立

辻井氏は中島健氏の設計について、完成後に長く続くメンテナンスのしやすさにも注意を払い、日本のものを無理に持ち込まず、現地の自然を生かして日本の風情を出すスタイルに素晴らしさがあると語ります。

カウラの日本庭園はオープンから45年経っても、現地の自然を生かした設計そして、もちろん現地公園スタッフによる長きに渡る熱心な取り組みもあり、美しい姿を今も残しています。

今後もその姿をどうやって残していくか。今回の訪問を通し、オーストラリアにおける日本庭園管理のノウハウ確立につなげたいと辻井氏は考えています。

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